寺奴婢(読み)じぬひ

精選版 日本国語大辞典 「寺奴婢」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぬひ【寺奴婢】

〘名〙 令制下、寺院に所有され、使用されていた私奴婢
令集解(868)職員「朱云〈略〉寺奴婢名籍。何司可掌何」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の寺奴婢の言及

【奴婢】より

…私奴婢は戸籍・計帳に例が多いが,その数は,人口(8世紀の良民の人口は沢田吾一により561万余人と推算されている)の数%から1%以下まで地域差があり,また貴族や地方豪族や大寺院は数百人から数十人の規模の奴婢を所有する場合もあったが,一般の公民の間では一部の富有な戸が若干名を所有する程度であった。法隆寺,大安寺,元興寺,薬師寺などの大寺院は747年(天平19)の各寺の資財帳によると数百人の奴婢・家人(寺奴婢・寺家人)を所有しているが,その過半は逃亡したり,または良民であることを訴えることにより有名無実となっていたと推定される。東大寺には750年(天平勝宝2)に官奴婢を中心に200人ほどが施入されたが,《東南院文書》や《正倉院文書》によりその構成や労働の実態が知られる。…

※「寺奴婢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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