寰宇訪碑録(読み)かんうほうひろく(英語表記)Huán yǔ fǎng bēi lù

改訂新版 世界大百科事典 「寰宇訪碑録」の意味・わかりやすい解説

寰宇訪碑録 (かんうほうひろく)
Huán yǔ fǎng bēi lù

中国,清代の孫星衍(そんせいえん)の著。古代から元代に至る中国全土の石刻目録で,年代順に配列し所在地を明記する。先輩の邵晋涵(しようしんかん)の原稿に自分の実地調査の成果を加えたもので,友人の邢樹が完成した。1812年(嘉慶17)に平津館叢書の一つとして刊行。その不備を補訂したものに,趙之謙の《補》《失編》,羅振玉の《刊謬》《補刊誤》,劉声木の《校勘記》《補校勘記》などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の寰宇訪碑録の言及

【金石学】より

…さらにあらゆる石刻を時代順に網羅,編纂する事業もすすみ,王昶(おうちよう)の《金石萃編(すいへん)》160巻(1805)とそれを補った陸増祥の《八瓊室(はちけいしつ)金石補正》120巻ができあがった。このほか全国の石刻の目録として孫星衍(そんせいえん)の《寰宇(かんう)訪碑録》が有名であるほか,葉昌熾の《語石》10巻も旧中国の石刻学の精髄をうかがうことができる。これら書物のほとんどは《石刻史料新編》としてまとめられている。…

※「寰宇訪碑録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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