(読み)さつ

精選版 日本国語大辞典 「察」の意味・読み・例文・類語

さつ【察】

〘名〙
① (形動) 推量すること。推測すること。また、すぐれた洞察力をそなえているさま。
※新撰類聚往来(1492‐1521頃)上「難去為客人間、其用作嗜奔走捩、聊過御察乎」
※天草版金句集(1593)「ミヅ イタッテ キヨキ トキンバ ウヲ ナク、ヒト イタッテ satnaru(サツナル)トキンバ トモ ナシ」
② (「けいさつ(警察)」の「けい」と「さつ」を逆にした「さつけい」の略) 警察をいう、てきや・盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧(1915)〕
※不良青少年少女の実相(1930)〈和田信義〉「第二にサツ(警察)やムシ(監獄)の飯を余計に食って来た者、と云ふことになる」

さっ‐・する【察】

〘他サ変〙 さっ・す 〘他サ変〙
① おしはかって考える。推察して知る。また、思いやる。想像する。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
平家(13C前)四「状を察して疑貽をなす事なかれ」
② 深く調べる。こまかく吟味する。
仮名草子・ねごと草(1662)上「さっしたる御作意かな。をろかながら、われもまた一句申してみん」

さっ‐し【察】

〘名〙 (動詞「さっする(察)」の連用形名詞化) 察すること。思いやること。推察
※滑稽本・七偏人(1857‐63)四「両個(ふたり)の者の察しに違はず、麦湯の女を送らんとて〈略〉此処まで来かかりしが」

さっ・しる【察】

〘他サ上一〙 (サ変動詞「さっする(察)」の上一段化したもの) =さっする(察)
人情本・閑情末摘花(1839‐41)初「察しるに遠世が親の手元をはなれ兼るか」

さっ‐・す【察】

〘他サ変〙 ⇒さっする(察)

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デジタル大辞泉 「察」の意味・読み・例文・類語

さつ【察】[漢字項目]

[音]サツ(漢)
学習漢字]4年
調べて明らかにする。「監察観察検察考察査察視察省察診察偵察
おしはかる。思いやる。「察知賢察推察拝察
[名のり]あき・あきら・み・みる
難読按察使あぜち

さつ【察】

俗に、警察のこと。「にばらす」
[類語]警察ポリス

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「察」の解説

さつ

?-? 江戸時代中期の女性。
臨済(りんざい)宗の僧白隠慧鶴(えかく)(1686-1769)の叔父庄司氏の娘。白隠から印可をうける。のち結婚し,老いて孫の死にあい,大声でないた。人々は悟りをひらいた方なのにといっておどろく。察は「肉親の涙こそ香華にまさる」といって真の仏道をしめした。駿河(するが)(静岡県)出身

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