寝の寝らえぬ(読み)いのねらえぬ

精選版 日本国語大辞典 「寝の寝らえぬ」の意味・読み・例文・類語

い【寝】 の 寝(ね)らえぬ

(「らえ」は上代の可能の助動詞「らゆ」の未然形。「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形。準体句を構成している) 眠りにつくことができない。熟睡することができない。
万葉(8C後)一五・三六六五「妹を思ひ伊能禰良延奴(イノネラエヌ)に暁(あかとき)の朝霧ごもり雁がねそ鳴く」
[補注]「万葉集」の中にだけ見られる表現後世歌集(「拾遺」「風雅」など)が、「万葉集」中の歌を取り上げる場合には、「いのねられぬ」という形になっている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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