日本大百科全書(ニッポニカ) 「寒雷(俳句雑誌)」の意味・わかりやすい解説
寒雷(俳句雑誌)
かんらい
俳句雑誌。加藤楸邨(しゅうそん)主宰。1940年(昭和15)10月創刊。誌名は前年刊行の楸邨第一句集『寒雷』による。主張は「俳句の中に人間の生きることを第一に重んずる。生活の誠実を地盤としたところの俳句を求める」(創刊号、楸邨)。初め交蘭(こうらん)社から、のち寒雷発行所から刊。『馬酔木(あしび)』系俳誌とも目されたが、42年楸邨が『馬酔木』より退く形をとると名実ともに独立誌となる。戦局苛烈(かれつ)な45年1月で中絶、46年9月復刊。秋山牧車、青池秀二、森澄雄、平井照敏(しょうびん)、久保田月鈴子(げつれいし)が代々編集業務を行う。2000年6月現在、編集人は矢島房利。
[井上宗雄]