寒林(読み)かんりん

精選版 日本国語大辞典 「寒林」の意味・読み・例文・類語

かん‐りん【寒林】

[1] 冬枯れのした林。《季・冬》
文華秀麗集(818)下・神泉苑九日落葉篇〈嵯峨天皇〉「秋云晩、無物不蕭条、坐見寒林落葉飄」 〔歎逝賦〕
[2] インド王舎城近くにあった林の名。静かで奥深く、気温が低い。かつては死体を捨てる場であったという。屍陀林(しだりん)。転じて、墓地をいうこともある。
今昔(1120頃か)二「長者、暁に婢の死せるを見て〈略〉寒林の中に引き弃(すて)つ」 〔釈氏要覧‐下・送終

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デジタル大辞泉 「寒林」の意味・読み・例文・類語

かん‐りん【寒林】

冬枯れの、寒々とした林。 冬》「野の入日燃えて―の道をはる/秋桜子
《〈梵〉Śitavanaの訳》インドのマガダ国にあった林の名。山深く気温が低い所で、死体を捨てる場所であったという。尸陀林しだりん。転じて、墓地。

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普及版 字通 「寒林」の読み・字形・画数・意味

【寒林】かんりん

冬の林。唐・劉長長沙賈誼の宅を過(よぎ)る〕詩 秋獨りぬ、人去りて後 しく見る、日の斜めなる時

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