寒寒(読み)さむざむ

精選版 日本国語大辞典 「寒寒」の意味・読み・例文・類語

さむ‐ざむ【寒寒】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
見た目に非常に寒そうな様子を表わす語。
※寛永刊本江湖集鈔(1633)三「宿火も無く、寒む寒むとしたなりを見るに」
② 何もなくて殺風景な様子を表わす語。荒涼としているさま。
蟹工船(1929)〈小林多喜二〉一「寒々とざわめいてゐる〈略〉何か特別な織物のやうな波」

さむ‐さむ【寒寒】

〘名〙 氷、また、氷を入れてつくった物をいう女房詞
御湯殿上日記‐文明一八年(1486)四月一日「この月より一日さむさむまいらすへきよしきよやす申す」

さむざむ‐し・い【寒寒】

〘形口〙 非常に寒そうな感じである。また、荒涼としている。貧寒である。
明暗(1916)〈夏目漱石〉一三「此さむざむしい秋の夜の景色に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「寒寒」の意味・読み・例文・類語

さむ‐ざむ【寒寒】

[副](スル)
いかにも寒そうなさま。「冬の夜空に月が寒寒とかかる」
心が冷えるさま。殺風景なさま。「人けのない寒寒(と)した家」「寒寒(と)した人間関係
[類語]薄ら寒い寒い肌寒い深深凜凜冷え込むうそ寒い寒さ寒気寒波厳寒酷寒極寒余寒春寒はるさむ春寒しゅんかん寒の戻り冴え返る夜寒寒冷冷える底冷え花冷え梅雨寒梅雨冷え涼しい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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