富士見峠(読み)ふじみとうげ

日本歴史地名大系 「富士見峠」の解説

富士見峠
ふじみとうげ

小真名子こまなご山と帝釈たいしやく(二四五五メートル)鞍部に位置し、標高二〇三六メートル。塩谷郡栗山くりやま村の境にある。日光修験の惣禅頂・補陀洛夏峰の行場で昭和初年頃までは日光と栗山とを結ぶ民間の交易路であった。日光側の峠下の無人小屋を使って、栗山側からは日光下駄や曲物などの半製品、日光側からは米・塩などの食料品、衣料などの日用品が取引された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「富士見峠」の意味・わかりやすい解説

富士見峠
ふじみとうげ

静岡県中部にある静岡市葵区(あおいく)井川横沢とを結ぶ峠で標高1184メートル。大井川安倍川(あべかわ)との分水界にあたり、笹山構造線(ささやまこうぞうせん)に沿って南北に延びる稜線(りょうせん)の鞍部(あんぶ)にあたる。井川はかつて北側の大日峠(だいにちとうげ)を越えて静岡市中心部と結び付いていたが、1958年(昭和33)井川ダム建設の補償、畑薙(はたなぎ)ダムの資材運搬のため林道が敷設され、この峠を越えた。峠には小規模な公園があり、富士山、南アルプスなどの景観に恵まれる。北方緩斜面は井川開拓として高冷地野菜の栽培地で、井川高原自然歩道、県民の森などの施設も整えられている。

[北川光雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富士見峠」の意味・わかりやすい解説

富士見峠
ふじみとうげ

群馬県北東部,片品村にあり,戸倉尾瀬ヶ原を結ぶ通路にある峠。標高 1883m。群馬県側から尾瀬への三つの入山ルート (鳩待峠,富士見峠,三平峠) の中央にあたり,富士見下まで車が入る。西に菖蒲平 (あやめだいら) ,北に尾瀬ヶ原があり,東は皿伏山を経て尾瀬沼に出る。付近尾瀬国立公園に属する。

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