精選版 日本国語大辞典 「寄場」の意味・読み・例文・類語
よせ‐ば【寄場】
〘名〙
※関八州古戦録(1726)一八「北の方は所狭く竹藪茂りて寄場なきまま然るべき人数をば差向ぬ」
② 城内の控え室。控え場所。
③ 江戸城内で、城に延焼の危険がある場合に、火消役人その他のものが詰めていた場所。
※禁令考‐後集・第一・巻二・寛政二年(1790)二月「此度厚き御仁恵を以、加役方人足に致し、寄場え遣し、銘々仕覚候手業を申付候」
⑤ =よせ(寄)⑪
※禁令考‐前集・第五・巻四四・天保一四年(1843)七月一四日「近年在々浪人躰之者徘徊致し、頭分師匠分抔と唱、廻り場寄場と号し、銘々私に持場を定」
⑦ 幕末、関八州取締りのため、十か村・二十か村が連合して結成した取締組合で、道案内などが、関八州取締出役と連絡をとるために寄り合った場所。組合の中心になるような宿・村が選ばれた。
※地方落穂集追加(1843‐45頃)五「寄場に相成候宿村方に順を糺、村高に応じ甲乙無レ之様取計可レ申事」
より‐ば【寄場】
〘名〙
※稲の穂(1842‐幕末頃)「茶店 寄場浜地東西に弐ケ所有る」
② 明治・大正期、正米(しょうまい)市場のこと。大阪の道住寄場、東神寄場、柳川寄場など。
③ 駕籠舁(かごか)きの集まっている所。
※洒落本・風俗七遊談(1756)二「帰りは寄場(ヨリバ)の煮売屋で、茶碗酒にぶっかけ豆腐」
④ 魚の寄ってくるところ。釣りのポイント。
※青べか物語(1960)〈山本周五郎〉芦の中の一夜「縦横に通じている水路が魚の寄り場になる」
⑤ ⇒よせば(寄場)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報