容易(読み)たやすい

精選版 日本国語大辞典 「容易」の意味・読み・例文・類語

た‐やす・い【容易】

〘形口〙 たやす・し 〘形ク〙 (「た」は接頭語)
① わけなくできる。何でもない。むずかしくない。容易である。やさしい。
続日本紀‐天平元年(729)八月二四日・宣命「天下の事をや多夜須(タヤスク)行はむと、念(おも)ほし坐して」
② かるがるしい。かるはずみである。軽率である。
古今(905‐914)仮名序「つかさ位、高き人をば、たやすきやうなれば入れず」
徒然草(1331頃)三「ひたすらたはれたる方にはあらで、女にたやすからず思はれんこそ、あらまほしかるべきわざなれ」
たやす‐げ
〘形動〙
たやす‐さ
〘名〙

たわ‐やす・し たは‥【容易】

〘形ク〙
① 容易である。むずかしくない。たやすい。簡単だ。
書紀(720)推古一六年六月(図書寮本訓)「妹子、書を失へる罪有りと雖も、輙(タハヤスク)罪す可からず」
② 軽々しい。気軽である。軽率である。
源氏(1001‐14頃)賢木「たはやすく御心にまかせてまうで給ふべき御住みかにはたあらねば」
たわやす‐げ
〘形動〙
たわやす‐さ
〘名〙

よう‐い【容易】

〘名〙 (形動) たやすいこと。やさしいこと。また、そのさま。
正法眼蔵(1231‐53)行持上「断臂たとひ容易なりとも、この割愛大難なるべし」 〔戴復古‐昭武太守王子文曰与李賈厳羽共観前輩一両家詩及晩唐詩、因有論詩十絶詩〕

たゆす・し【容易】

〘形ク〙 (「たやすし」の変化した語) =たやすい(容易)
※法華経釈文平安中期点(976頃)上「管見を以て容易(タユスク)聖説を断す可からず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「容易」の意味・読み・例文・類語

よう‐い【容易】

[名・形動]たやすいこと。やさしいこと。また、そのさま。「容易なことでは到達できない」「容易に解ける問題」
[派生]よういさ[名]
[類語]ちょろいたやすい簡単簡略簡易あっさり手っ取り早いやすい手軽手軽い造作ない訳ないくみやす楽楽らくらく易易いい易易やすやす軽い・軽く・悠悠難無く苦もなく生易しいイージー朝飯前楽勝お茶の子お茶の子さいさい河童かっぱたなごころを返す労せずして赤子の手をひねるお手の物事も無げむざむざ軽軽かるがる無造作手も無く見す見すまんまと平易軽易安易物ともせずすんなりすいすい首尾良くちょいちょいちょちょいのちょい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「容易」の読み・字形・画数・意味

【容易】ようい

たやすい。清・銭謙益〔庚寅夏五月(順治七年)湖舫に憩(いこ)ふ~、二十首、十〕詩 可(まこと)に是れ承の好時 湖山、容易に(つ)けん

字通「容」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android