家産（読み）かさん

精選版 日本国語大辞典

か‐さん【家産】

〘名〙

① 家の財産。身代(しんだい)。身上(しんしょう)。

※続日本紀‐天応元年（781）正月辛酉「諸国百姓、久疲_二兵役_一多破_二家産_一」 〔史記‐李広伝〕

② 家族の共同生活または家庭の基盤である不動産を中心として、その売買を禁止するなど特別の保護を加えた財産。おもに農業家族を土地の細分から守る目的で家産制度に採用された。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

か‐さん【家産】

一家の財産。身代しんだい。「家産が傾く」
[類語]財産・財・産・資産・資財・財貨・貨財・私産・私財・家財・富・身代しんだい・身上しんしょう・恒産

出典　小学館

普及版 字通

【家産】かさん

財産。身代。〔漢書、伍被伝〕方の郡、土地廣美なり。民の徙(うつ)る、以て其の地を實(み)たすに足らず。～家五十以上のは、皆其の家屬を方の郡に徙(うつ)す。

字通「家」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の家産の言及

【家財】より

…史料上の用語に照らしてみると，家財という語を，住居としての家に蓄えられた財産の意味に理解する場合と，日本の家族制度である“家”に伝えられる家産の意味に理解する場合とに区別しておく必要がある。前者の意味で理解する場合には，すでに平安時代のころから，史料上にその存在を発見することが困難ではない。…

※「家産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」