精選版 日本国語大辞典 「家持」の意味・読み・例文・類語
いえ‐もち いへ‥【家持】
やかもち【家持】
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江戸時代の町人階層の一つ。家持はその町に居住し、自宅および宅地を所有する者で、居付地主(いつきじぬし)(大坂では町内持)ともいった(そのほか大坂では他町持、他国持の区別がある)。また店借(たながり)人と違って、家持は町入用(ちょうにゅうよう)と称する町政の費用を負担した。したがって居付地主である家持は、町内でもっとも発言力をもち、はぶりをきかす者であったが、多くの家持は人を雇って代行させた。しかし場末の家持は代人をたてず、自分自身で直接に土地家屋を差配する者が多かった。初めは家持たちが五人組を組織したといわれているが、のちには代行者の家守(やもり)(大家(おおや))が五人組を組織するようになった。
[南 和男]
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…したがってこのような裏店が密集した地区の人口密度はかなり高かった。江戸の場合,地主が屋敷地内に住む(家持または居付地主と呼ばれた)ことは少なく,多くは家守(やもり)(大家,家主ともいう)が屋敷地内に住居を構え,地代・店賃徴収を代行し,また裏店住人の人別改め(戸籍調べ)や町触(法令)通達などを行い,棒手振(ぼてふり)などの小商人,大工・左官などの職人,そして日雇いなどと呼ばれた下層単純労働者など,裏店住人の事実上の支配者となっていた。長屋【玉井 哲雄】。…
…(c)町域で発生した諸事件や訴訟の処理に関する諸経費。(d)町内の家持や借家人の変動に伴う諸収入。とくに家持の場合,土地買得時の分一(ぶいち),通過儀礼の各段階における振舞いなどがあった。…
…日本近世における被支配諸身分の中で,百姓や諸職人とともに最も主要な身分の一つ。その基本的性格としては,(1)さまざまな商業を営む商人資本であること,(2)都市における家持(いえもち)の地縁的共同体である町(ちよう)の住民であり,正規の構成員であること,(3)国家や領主権力に対して,町人身分としての固有の役負担を負うこと,などがあげられる。以下(1)~(3)について説明する。…
…町法度,町内式目,定法書などと呼ばれた。江戸時代の都市の住民としての商工業者のうち,社会的に正規の町人として存在していたのは,家屋敷を所持し,その家屋敷の広狭に応じて町奉行所や惣町の諸費用およびその町限りの町費を負担する家持に限られ,住民の大部分を占めた地借(じがり)・店借(たながり)は町人身分として認められていなかった。そして家持が他町・他国住の不在地主の場合は,家持の代理として家作を管理する家守(やもり)(大家)が準町人として,家持とともに町共同体の構成員となり,町政の自治的運営が行われた。…
…家主(やぬし∥いえぬし),屋代(やしろ),留守居(るすい),大家(おおや)などとも呼ばれた。日本の近世社会は,家屋敷の所持者である家持を本来の正規の構成員として成立していたが,なんらかの事由で家屋敷の主人が長期にわたって不在となる場合,不在中の主人に委嘱され,家屋敷の管理・維持にあたるのが,家守の基本的性格である。このような主人不在の家屋敷は,おもに都市域,なかでも江戸,大坂,京都や諸国の城下町において顕著に見られた。…
※「家持」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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