家庭的(読み)かていてき

精選版 日本国語大辞典 「家庭的」の意味・読み・例文・類語

かてい‐てき【家庭的】

〘形動〙
家庭生活をするのに適しているさま。家庭向きであるさま。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉六「家庭的(カテイテキ)婦女は家庭的の答へをする」
② 家庭にいるようなうちとけた雰囲気であるさま。
別天地(1903)〈国木田独歩〉下「艦(ふね)彼等の家であるのだ。従って艦の内の生活には家庭的(カテイテキ)趣味を加へて来るのである」
③ 小さくまとまっているさま。こぢんまりしているさま。
※満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉四二「虫の音が聞えだした。足元で少しばかり鳴いている様な家庭的(カテイテキ)なものではない」
④ 家庭に関わりのあるさま。家庭にありがちなさま。
玄鶴山房(1927)〈芥川龍之介〉四「冷やかにこのありふれた家庭的(カテイテキ)悲劇を眺めてゐた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「家庭的」の意味・読み・例文・類語

かてい‐てき【家庭的】

[形動]
家庭生活に向いているさま。また、家庭を大事にするさま。「家庭的な人」
家庭にいるように、うちとけてくつろぐことができるさま。「家庭的な雰囲気の宿」
家庭に関するさま。「家庭的に不遇である」
[類語]アットホームドメスティックファミリアフレンドリー打ち解ける解け合う馴染む親しむ心安い水いらず親しい近しい気安いむつまじい親密懇意昵懇じっこん懇親別懇ねんご親愛和気藹藹あいあい仲良し気が置けない人なつこい取っ付きやすい懐こい如才ない調子がいいなれなれしい馴染み深いつうつうつうかあ息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響く意気投合心を通わす心が通う胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す肝胆相照らす心を交わす心を以て心に伝う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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