(読み)さい

精選版 日本国語大辞典 「宰」の意味・読み・例文・類語

さい【宰】

〘名〙
天子諸侯をたすけて政を執る官。大臣宰相。また、家臣の長。〔儀礼‐特牲饋食礼〕
采邑(さいゆう)の長。地方の長官
※中右記‐寛治八年(1094)七月一三日「家通朝臣為賀州宰」 〔礼記礼器
膳部をつかさどる人。料理人。〔儀礼‐公食大夫礼〕
④ 江戸時代、奥女中の雑用に使われた下男。御宰(ごさい)
※雑俳・柳多留‐一〇二(1828)「椎茸切盛りをするさいがつき」

さい‐・す【宰】

〘他サ変〙
① つかさどる。おさめる。
駿台雑話(1732)一「一心治むといへども万事を宰(サイ)するに足らず」
② 切り殺す。屠(ほふ)る。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「馬を墓前に宰して之を祭り

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「宰」の意味・読み・例文・類語

さい【宰】[漢字項目]

常用漢字] [音]サイ(呉)(漢)
切って料理する。料理人。「庖宰ほうさい
つかさどる。取り仕切る。「宰領主宰
つかさ。長。「宰相家宰太宰たいさい・だざい
[名のり]おさむ・かみ・すず・ただ・つかさ

みこと‐もち【宰/司】

天皇御言みことを持ち、まつりごとを行う意》上代、勅を受けて任地に下り、政務をつかさどった官人律令制国司前身
山部連小楯やまべのむらじをたて針間はりまの国の―にけし時」〈・下〉

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