有島武郎(たけお)の評論。1922年(大正11)1月『改造』に発表。ロシア革命の影響などから当時勃興(ぼっこう)しつつあった労働運動に対して、労働者階級以外の立場にある知識人としての自己の態度を表明する。労働者自身の力が、既存の社会体制を変革しうるのであって、作者のような知識階級は、その変革主体となりえず、結局は支配体制に組み込まれていると説く。この宿命論的な自己規定をめぐって、広津和郎(かずお)、片上伸、堺利彦(さかいとしひこ)、河上肇(はじめ)、室伏高信(むろぶせこうしん)などが反駁(はんばく)し、6か月にわたる論争がおこる。革命と文学、政治と知識人という昭和文学の問題に連なる先駆的文献といえる。
[山田俊治]
『平野謙・小田切秀雄・山本健吉編『現代日本文学論争史 上』(1956・未来社)』
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
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