宣和画譜(読み)せんながふ(英語表記)Xuān hé huà pǔ

改訂新版 世界大百科事典 「宣和画譜」の意味・わかりやすい解説

宣和画譜 (せんながふ)
Xuān hé huà pǔ

中国北宋末期の徽宗朝の内府所蔵絵画目録。20巻。宣和2年(1120)序。三国時代より北宋に至る画家231人,作品6396点を10門に分けて時代順に著録し,各門に叙論,各画家に小伝を付す。徽宗御製の序があり,御撰の説があるが,おそらく複数の下臣の撰述になるものであろう。内府所蔵目録として資料的価値が高く,また叙論や小伝を通して,当時の絵画観をうかがうことができる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宣和画譜」の意味・わかりやすい解説

宣和画譜
せんながふ
Xuan-he-hua-pu

中国,北宋末,徽宗の宣和内府の収蔵絵画の著録。宣和2 (1120) 年の序がある。 20巻。徽宗の撰ともいわれるが,南宋時代に諸種の著録を集成したものとする説が有力。魏・晋時代からの名画道釈,人物,宮室,蕃族,竜魚,山水,畜獣,花鳥墨竹,蔬果の 10部門に分け,各部門の初めに簡単な画論を付して古今名手をあげ,さらに画家の小伝を記す。叙論および著録された作品には注目すべきものがある。『津逮秘書』『画史叢書』などに収められている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宣和画譜の言及

【徽宗】より

…生来,書画,古器物を愛好する徽宗は,全国より名器を開封に集め,鑑賞のベテランでもある蔡京や,書・画学の博士らと鑑識,整理のうえ,内府に蔵した。このころ勅撰せられた《宣和書譜》《宣和画譜》《重修宣和博古図》などが現存するが,これらは書画,古器物鑑賞の学問を集大成したものとして高く評価される。このほか徽宗の悪政の一つに数えられている花石綱(かせきこう)も,文化史の上からみれば,またちがった評価が下される余地があるようである。…

※「宣和画譜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android