宣命書(読み)せんみょうがき

精選版 日本国語大辞典 「宣命書」の意味・読み・例文・類語

せんみょう‐がき センミャウ‥【宣命書】

〘名〙 宣命・祝詞をはじめ、漢文表現によらない文章に用いられた表記形式体言用言副詞などに対して、助詞助動詞や用言の語尾などを、一字一音式の万葉仮名、または片仮名平仮名で、行の右に寄せ、または二行に割って小さく記したもの。

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デジタル大辞泉 「宣命書」の意味・読み・例文・類語

せんみょう‐がき〔センミヤウ‐〕【宣命書(き)】

宣命祝詞のりとなどに用いた、漢字による国語の文章表記の形式の一。体言や用言の語幹などは大きく、助詞・助動詞・用言の活用語尾などは1字1音の万葉仮名で小さく記した。

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百科事典マイペディア 「宣命書」の意味・わかりやすい解説

宣命書【せんみょうがき】

宣命祝詞(のりと)などで行われた表記法自立語は漢字で大きく,助詞・助動詞・活用語尾などは万葉仮名で小さく右寄せ,または2行に割って小さく書かれた。漢文的表記法をまじえているが,後の漢字仮名交り文につながっていく文体である。

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世界大百科事典(旧版)内の宣命書の言及

【文語体】より


[宣命体]
 祝詞(のりと)や宣命に用いられた文体で,古くから形式の固定していたものである。もとは漢字も万葉仮名も同じ大きさで記したらしいが,やがて漢字を大きく万葉仮名を小さく右に寄せて書く〈宣命書〉の形となった。この文体は古く奈良時代から存し,平安時代以後も長く伝統的な文体として後世に及び,中世以降の和漢混淆文の類に影響を及ぼした点もある。…

※「宣命書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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