実証(読み)じっしょう

精選版 日本国語大辞典 「実証」の意味・読み・例文・類語

じっ‐しょう【実証】

〘名〙
① たしかな証拠確証。また、たしかな証拠のある事柄。副詞的に「たしかに」の意で用いることもある。
吾妻鏡‐文治元年(1185)一〇月二三日「仰曰、此事非実証歟」
行人(1912‐13)〈夏目漱石〉兄「何も文(ふみ)を拾ったとか、接吻した所を見たとか云ふ実証(ジッショウ)から来た話ではないんだから」 〔水経注‐廬江水〕
② (━する) 事実によって証明すること。
※実朝(1943)〈小林秀雄〉「実証された単なる一事実が、足下でぐらつく様を眺めてゐるに過ぎないのである」

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デジタル大辞泉 「実証」の意味・読み・例文・類語

じっ‐しょう【実証】

[名](スル)
確実な証拠。確証。「実証のない仮説
確かな証拠をもって証明すること。事実によって明らかにすること。「推理の正しさを実証する」
漢方で、病状の一。邪気亢進こうしんした状態水毒食毒・血毒などが体内に停滞することにより引き起こされる。→虚証
[類語]検証論証例証証言証拠証明挙証しょうあかししるし証左証憑しょうひょう徴憑ちょうひょう徴証明証確証傍証根拠よりどころ裏付けねた

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「実証」の意味・わかりやすい解説

実証
じっしょう

漢方用語。病因となる邪気が盛んで,人体の正気 (生命活動の動力) との抗争反応が激しい状態。具体的な症状としては,熱性病による高熱,顔面紅潮,口渇手足をばたつかせる,うわ言をいう,などである。これと相対するものを「虚証」というが,虚と実が錯綜している場合もある。

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普及版 字通 「実証」の読み・字形・画数・意味

【実証】じつしよう

証拠。

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