実写(読み)じっしゃ

精選版 日本国語大辞典 「実写」の意味・読み・例文・類語

じっ‐しゃ【実写】

〘名〙
実際情景状態文章や絵で描写すること。
浮雲褒貶(1887)〈石橋忍月〉一「小説家を以て自ら任ずる者は、此の国俗、此の情、此の社会を実写するこそ其本分と云ふ可けれ」
映画などで、実際の事件などを撮影すること。また、それを写し出したもの。実写物。
女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉三「平和記念東京博覧会羊毛館に於いて羊毛工業の実写を映した後ち」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「実写」の意味・読み・例文・類語

じっ‐しゃ【実写】

[名](スル)
実際の景色状況を文章や絵に表現すること。「都会風俗実写した小説
映画や写真などで、模型セットを使わずに現実出来事風物を撮影すること。「実写フィルム」
漫画物語などをアニメーションによらず、俳優を使って映画やテレビドラマにすること。「実写化」「『20世紀少年』の実写版映画」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の実写の言及

【日本映画】より

…映画興行はこのころより盛んになり,初めは寄席や見世物小屋で行われたが,早くも1897年には浅草六区に,バラック建ての小屋ながら日本シネマトグラフ館という映画館がつくられ,やがて1903年,同じ浅草六区の電気館が最初の本格的映画館となった。
[風景と戦争]
 上映される作品は風景映画とでもいえるものがまず多く,内外の風景を実写しただけの映画を見ることが,〈動く写真〉によるいながらの観光として人気を呼んだ。《紅葉狩》につづく《二人道成寺》《鳰(にお)の浮巣》などの歌舞伎の実写,人気芸者の踊りや大相撲の実写がもてはやされたのも同じ理由であろう。…

※「実写」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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