宝蔵(読み)ほうぞう

精選版 日本国語大辞典 「宝蔵」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ぞう ‥ザウ【宝蔵】

〘名〙
① (━する) 大切に納めておくこと。厳重に保管したり、たくわえたりしておくこと。
※三教指帰(797頃)下「磊宝蔵、宛同鄭交之空承仙語」 〔史記‐亀策伝〕
宝物を納めておくくら。貴重な物品などを保管しておく建物宝庫。たからぐら。比喩的に用いて、貴重なものを含む物事をいう。
今昔(1120頃か)五「夜光る玉を持給へり。宝蔵に納め置き給ひたりけるを」 〔中庸〕 〔勝鬘経‐摂受章〕
仏語寺院で、経典を納めておく建物。経堂。経蔵
※十訓抄(1252)七「御使帰参て、宝蔵の破たるほども見せられ候はず」
④ (仏の教えが宝の蔵であるという意で) 仏語。仏の教え。衆生の苦しみを取り除き、利益(りやく)を与える仏の妙法
※日蓮遺文‐法華題目鈔(1266)「提婆達多は六万八万の宝蔵をおぼえ」 〔無量寿経‐上〕
⑤ (大切にして他人には見せない所の意から) 女性の秘所。
※雑俳・伊勢冠付(1772‐1817)「くらやみの・宝蔵へ手が障ったり」
⑥ 帯に下げる物入袋。巾着。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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デジタル大辞泉 「宝蔵」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ぞう〔‐ザウ〕【宝蔵】

貴重な物品として大切に納めておくこと。
宝物を納めておく蔵。宝庫。
経典を納めておく建物。経蔵。
仏語。仏の教え。

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日本歴史地名大系 「宝蔵」の解説

宝蔵
ほうぞう

[現在地名]東山区今熊野宝蔵町

醍醐だいご街道を挟み、東瓦ひがしかわら町南方に位置する。「坊目誌」は、「北は山林にして、南は早く開けて宅地たり。従来の人家多し。曲折して東西に醍醐道あり。甚だ傾斜ありて土地一筆づゝ高低あり」と説明する。

この地の東方醍醐街道の南に円墳があり、中尾陵(「延喜式」に中尾なかつら陵と所見)に比定されている。

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普及版 字通 「宝蔵」の読み・字形・画数・意味

【宝蔵】ほうぞう(はうざう)

宝。また、天然資源。〔中庸、二十六〕今夫(そ)れ山は、一卷石(挙石)の多きなり。其の廣大なるにんでは、艸木之れに生じ、禽獸之れに居り、寶興る。

字通「宝」の項目を見る

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「宝蔵」の解説

宝蔵
(通称)
たからぐら

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
重松金宝蔵
初演
享保18.11(大坂・中村十蔵座)

宝蔵
たからぐら

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
元禄13(京)

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