定量分析(読み)ていりょうぶんせき(英語表記)quantitative analysis

精選版 日本国語大辞典 「定量分析」の意味・読み・例文・類語

ていりょう‐ぶんせき テイリャウ‥【定量分析】

〘名〙 与えられた物質成分がどのような割合または量で含まれているかを決定する化学分析。ふつう定性分析によって成分の種類を決定したあとに行なわれる。重量分析容量分析などがある。⇔定性分析。〔電気訳語集(1893)〕

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デジタル大辞泉 「定量分析」の意味・読み・例文・類語

ていりょう‐ぶんせき〔テイリヤウ‐〕【定量分析】

試料物質に含まれる成分の元素イオン原子団などの量を測定する分析重量分析容量分析比色分析ほか機器分析が広く用いられる。→定性分析

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「定量分析」の意味・わかりやすい解説

定量分析
ていりょうぶんせき
quantitative analysis

化学分析のうち、試料中に含まれる各種の成分の量を求めるための分析法の総称。一般に定性分析でその成分を明らかにしてから行う。化学的、物理的、あるいは両者併用による方法がおもなものである。化学的定量法の容量分析法や重量分析法は物質の化学量論に基礎を置いたもので、特殊な機器を使用しないのでよく用いられる。一方、物理的定量法には光学的、電気的、磁気的、その他数多くの方法があり、それぞれが分析成分と特異な相互作用をすることを利用したものである。一般に高価な機器を使用する場合が多いが、簡便、迅速な方法であり、今日では機器による定量分析が大部分を占めている。吸光光度法X線分析法、発光分光分析法、原子吸光分析法、電解分析法、クロマトグラフ法、放射化分析法などそれぞれの名称でよばれている方法が数多くある。

[高田健夫]

『田中元治・中川元吉編『定量分析の化学――基礎と応用』(1987・朝倉書店)』『日本分析化学会編『入門分析化学シリーズ 定量分析』(1994・朝倉書店)』『宇野文二・河合聡他著『定量分析化学』第5版(2001・丸善)』『舟橋重信編『定量分析――基礎と応用』(2004・朝倉書店)』

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百科事典マイペディア 「定量分析」の意味・わかりやすい解説

定量分析【ていりょうぶんせき】

試料中の成分物質の量を測定する分析法。一般に定性分析によって成分を明らかにしてからその成分についての定量分析が行われる。重量分析容量分析がその主要なものであり,他にガス分析質量分析質量分析計),クロマトグラフィー比色分析電解分析など各種。→機器分析
→関連項目化学分析

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定量分析」の意味・わかりやすい解説

定量分析
ていりょうぶんせき
quantitative analysis

試料を構成する成分物質の量を明らかにする目的で行う分析法の総称。化学反応を利用し定量する方法として,古くから重量分析法および容量分析法がある。反応生成物が気体の場合はガス分析という。物質の量あるいは濃度と関数関係にある物理的性質を利用する定量法,あるいは化学反応生成物の物理的性質を測定して定量を行う物理化学的定量法も近年は広く採用されている。一般にこれらを機器分析と総称するが,発光分光分析,光吸収分析,光度滴定,原子吸光法,放射化分析,同位体希釈分析,質量分析,核磁気共鳴分析,ポーラログラフィー,クーロン滴定,クロマトグラフィーなどが含まれ,それぞれ対象とする物質,定量の範囲,感度,迅速性などに特色を有する。試料の量は 0.1~1g程度のものが多いが,1~10mg程度を用いて定量分析を行う場合は,微量化学分析またはミクロ分析と呼ばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「定量分析」の意味・わかりやすい解説

定量分析 (ていりょうぶんせき)

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化学辞典 第2版 「定量分析」の解説

定量分析
テイリョウブンセキ
quantitative analysis

物質を構成する成分の量的関係を明らかにする目的で行われる分析の総称.定性分析と対比して使用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「定量分析」の解説

定量分析

 ある物質の量を求める分析.

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世界大百科事典(旧版)内の定量分析の言及

【化学分析】より

…化学分析とは,〈何が〉〈どれだけ〉〈どのような状態で〉含まれているかを明らかにすることである。もともと,〈何が含まれているか〉を明らかにするのは定性分析qualitative analysisであり,〈どれだけ含まれているか〉を明らかにするのは定量分析quantitative analysisである。〈どのような状態で含まれているか〉を明らかにするのは状態分析state analysisとよばれている。…

※「定量分析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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