定斎(読み)じょうさい

精選版 日本国語大辞典 「定斎」の意味・読み・例文・類語

じょうさい ヂャウサイ【定斎】

〘名〙
中世豊臣氏の頃、堺の薬種問屋村田定斎が、明人の薬方を伝えて製したという煎じ薬夏季諸病に効があるという。定斎薬。じょさい。是斎(ぜさい)
浄瑠璃薩摩歌(1711頃)上「誓文白朮和中散、身を粉薬に御奉公、定斎なし」
② 「じょうさいうり(定斎売)」の略。《季・夏》
風俗画報‐三一号(1891)人事門「夏季(なつき)に売るものにて触声立てぬは定斎(デウサイ)

じょさい ヂョサイ【定斎】

〘名〙 (「じょうさい(定斎)」の変化した語) =じょうさい(定斎)
※雑俳・柳多留‐四八(1809)「日に焼けて売るが定斎のない薬」
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉上「『定斎(ジョサイ)でござい』と呼びながら、薬籠の引手カチカチと鳴らせて売りありくも」

じょう‐さい ヂャウ‥【定斎】

〘名〙 仏語。堅固な信仰心を保持すること。
※塩山和泥合水集(1386)「定力堅固にして、雑智雑解を起さざるを定斎(デウサイ)とす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「定斎」の意味・読み・例文・類語

じょうさい〔ヂヤウサイ〕【定斎】

桃山時代大坂の薬種商村田定斎が明人の薬法を伝えてつくり始めたというせんじ薬。夏期の諸病に効能があったという。じょさい。

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