宗設(読み)そうせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宗設」の意味・わかりやすい解説

宗設
そうせつ

室町時代の遣明使節僧。法諱は謙堂。永正6 (1509) 年進貢船居座として入明。この頃の遣明船の主導権は,主として細川氏と大内氏との間で争われていた。同 16年大内氏は遣明船派遣計画を進め,一方細川氏もこれと対抗した。大内船3隻は,宗設を正使に,月渚永乗を副使として正徳の新勘合を受けて大永3 (23) 年出発し,同年4月ニンポー (寧波) に到着した。一方細川船1隻は鸞岡瑞佐を正使,明人宋素卿を副使として発し,大内船より数日遅れてニンポーに到着した。このとき,勘合船の真偽が問題となり,宋素卿の画策により,細川船の貨物陸揚げが先行し,また嘉賓館における席次も,鸞岡が上位におかれるにいたった。宗設らはこれに怒って,5月1日鸞岡を殺し,細川船を焼いて帰国した (→寧波の乱 ) 。同5年明は室町幕府に対し,宗設引渡しを要求したが幕府は応じず,この事件後,大内氏による遣明船独占体制が確立された。 (→勘合貿易 )

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宗設」の解説

宗設 そうせつ

謙道宗設(けんどう-そうせつ)

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