宗像(市)(読み)むなかた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宗像(市)」の意味・わかりやすい解説

宗像(市)
むなかた

福岡県北部にある市。1954年(昭和29)東郷、赤間2町、南郷河東、吉武3村、神興(じんごう)村の一部が合併し、宗像町となる。1981年市制施行。2003年(平成15)玄海町(げんかいまち)と合併。2005年宗像郡大島村(おおしまむら)を編入。孔大寺(こだいじ)山地などの丘陵性山地が周辺部に分布、中央部を西流する釣(つり)川が沖積低地(宗像盆地)を形成。市域に離島の地島(じのしま)、勝島を含む。JR鹿児島本線、国道3号、495号が東西に通じる。古来主要路の通過地で、東部の赤間は筑前二十一宿(ちくぜんにじゅういちしゅく)の宿場町市場町として栄えた。北九州、福岡両市の中間に位置する農業地域であったが、1961年の鹿児島本線の電化以降、日の里(ひのさと)、自由ヶ丘などに大規模団地が造成されて住宅都市として発展するとともに、福岡教育大学、東海大学福岡短期大学、日本赤十字九州国際看護大学の進出により学園都市的性格ももつ。鐘崎港(かねざきこう)は県内でも有数の漁業基地となっており、アジやイカの一本釣りが多い。城(じょう)山と許斐(このみ)山には中世城跡がある。また、宗像大社沖津宮(おきつみや)祭祀遺跡出土品などは国宝、辺津宮(へつぐう)拝殿などは国の重要文化財境内は国の史跡)、鎮国(ちんこく)寺があり、海岸部は玄海国定公園に属している。なお、宗像大社は2017年(平成29)に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産の一つとして世界遺産(文化遺産)に登録された。面積119.94平方キロメートル、人口9万7095(2020)。

[石黒正紀]

『『宗像市史』全14冊(1992~1999・宗像市)』


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