完全導体(読み)カンゼンドウタイ(英語表記)perfect conductor

デジタル大辞泉 「完全導体」の意味・読み・例文・類語

かんぜん‐どうたい〔クワンゼンダウタイ〕【完全導体】

電気伝導率または熱伝導率が無限大である理想的な導体

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「完全導体」の意味・わかりやすい解説

完全導体
かんぜんどうたい
perfect conductor

伝導度が無限大である電気または熱の理想的導体。電気の場合,電流密度 i電場 E との関係を示す微分形のオームの法則 i=σE において,電気伝導度 σ が無限大となり,電流が流れている内部でも電場がない。この場合,完全導体は表面を含めて等電位であり,電流は表面に垂直に出入りする。すなわち電流の場での完全導体は,静電場における導体に相当した役割を果たす。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の完全導体の言及

【マイスナー効果】より

…超伝導をになう電子対の波動関数が磁場に対して変化しにくいことに基づいて生ずる現象で,磁場を排除しているのは超伝導体の表面の数百~数千Åのところを流れ続ける超伝導電流である。完全導体(無限大の電気伝導度をもつ理想的な導体)に磁場をかけると,やはり磁場は中に入らないが,磁場をかけておいてから完全導体にした場合,磁場は中に残る。超伝導体では,磁場中で冷却して超伝導状態にしても,磁場は外に排除されるので,完全導体と超伝導体は本質的に異なる。…

※「完全導体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android