安威氏(読み)あいうじ

改訂新版 世界大百科事典 「安威氏」の意味・わかりやすい解説

安威氏 (あいうじ)

南北朝・室町期の武家。摂津島下郡安威(現,茨木市安威付近)出身の武士と推定される。1341年(興国2・暦応4)6月の室町幕府奉行人奉書奉者に安威性遵なる人名が見え,43年(興国4・康永2)4月の言上状にも安威新左衛門入道性意なる人物が見え,当時幕府の奉行人であったことが知られる。しかし翌年の幕府引付五番方交名(きようみよう)にはその名が消えており,以後も奉行人には安威氏の所見がないから,44年の編成替えで罷免されたと推定される。下って1461年(寛正2)10月の記録に相国寺塔頭(たつちゆう)鹿苑院領摂津安威庄上分二十石の給人に細川氏被官安威新左衛門の名が見えているから,一族は摂津国人として本貫地に勢力をもっていたことが判明する。その後の安威氏の動静未詳
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android