安口の判官(読み)あぐちのはんがん

改訂新版 世界大百科事典 「安口の判官」の意味・わかりやすい解説

安口の判官 (あぐちのはんがん)

古浄瑠璃曲名。1637年(寛永14)刊。山本九兵衛板。六段。大夫の所属不明。《鸚鵡ヶ杣(おうむがそま)》の序に5部の本節の一つとある。筑前国安口判官の上京中,留守を預かる家老兵部太夫が主家横領をたくらむが,結局失敗に終わる。兵部の三男三郎が父への孝と主への忠に悩みながらも内報し,御台と若君が逃れて人買い船に乗り危機となるが,その人買いが旧臣であることが判明し,母子を救いやがて復讐をとげる。先行の《鎌田》《三荘太夫》と同工の部分がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安口の判官」の解説

安口の判官 あぐちのはんがん

古浄瑠璃(じょうるり)「安口の判官」の登場人物
筑前(ちくぜん)(福岡県)安口の判官で,家老兵部の主家横領の企てにより殺される。しかし妻と子は兵部の息子三郎の内報で難をのがれ,春日(かすが)明神加護をうけ,仇(かたき)をうち,家を再興する。浄瑠璃本は寛永14年(1637)京都の草紙屋山本九兵衛から刊行された。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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