宇美(読み)うみ

精選版 日本国語大辞典 「宇美」の意味・読み・例文・類語

うみ【宇美】

福岡県北西部の地名神功皇后新羅(しらぎ)遠征の時、誉田別命(ほむたわけのみこと)(=応神天皇)を生みおとしたのが地名の起こりという。宇美八幡宮がある。宇瀰。芋湄。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本歴史地名大系 「宇美」の解説

宇美
うみ

神功皇后が応神天皇を産んだとされる地名。「魏志」東夷伝倭人条にみえる「不弥国」を同地にあてる説が新井白石(古史通或問)・本居宣長(馭戎慨言)以来有力である。「釈日本紀」所引の「筑紫風土記」逸文によると、神功皇后が新羅征討軍の指揮をしていたときに陣痛が始まったので、二つの石を腰に挿みつけ出産を遅らせて出陣し、勝利したのち応神天皇を産んだとあり、その石がある所を「子饗の原」、出産した所を「芋野」というとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「宇美」の意味・わかりやすい解説

宇美[町] (うみ)

福岡県中央部,糟屋郡の町。人口3万8592(2010)。西は福岡市に接する。東部は三郡山地に属する山地で,北西部は多々良川支流の宇美川沿いに低地が広がる。明治中期に炭鉱が開発され,粕屋炭田南部の大炭鉱町として発展。1963年に全炭鉱が閉山したが,その後,福岡刑務所の誘致,さらに町中央部に工業団地を造成し企業を誘致するなど産炭地振興策が進行している。福岡市に隣接していることから,近年は分譲住宅地開発も進められ,ベッドタウンとしての性格を強めている。JR香椎線が通る。神功皇后が応神天皇を〈産んだ〉地と伝えられる宇美八幡宮があり,安産の神として信仰され,町名起源ともなっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android