宇治墓(読み)うじのはか

日本歴史地名大系 「宇治墓」の解説

宇治墓
うじのはか

[現在地名]宇治市菟道丸山

応神天皇の皇子菟道稚郎子の墓。「延喜式」(諸陵寮)に「在山城国宇治郡、兆域東西十二町、南北十二町、守戸三烟」とみえるものにあたるとして、明治二二年(一八八九)六月に治定された。しかし、「日本書紀」仁徳天皇即位前紀には、菟道稚郎子は、兄の大鷦鷯尊(のちの仁徳天皇)皇位を譲って自殺し、「菟道の山の上に葬りまつる」と記される。宇治川右岸に近接する右の墓は双方の記述に合致しないので疑わしいと考えられている。

もっとも墓所は永く亡失されていたもので、近世には朝日あさひ山の山頂がその所在地とされ、「五畿内志」を著した並河五一郎は享保一八年(一七三三)にその山頂に墓碑を建立している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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