学校制度(読み)がっこうせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「学校制度」の意味・わかりやすい解説

学校制度
がっこうせいど

教育制度のうち学校に関する制度。近代の教育は学校を中心として発達したため,学校制度は教育制度の主要な部分を占めている。学校制度は段階的には初等教育制度,中等教育制度,高等教育制度に区分され,また学校種別により,小学校制度,中学校制度などに分けられる。内容のうえからは,教育課程の制度,教科書の制度,教員に関する制度,教育施設・設備に関する制度などとなる。現在の学校制度は学校教育法を基本とし,多くの関係法規によって規定されている。近代の学校制度は国家の管理運営のもとにおかれ,教育法規に基づいて成立している。しかし他方からみれば,社会の伝統と教育観を基盤として成立し,ある程度持続性をもった教育に関する組織である。したがって学校制度は単なる教育法規の体系ではなく,社会的,歴史的基盤のうえに成立しているものである。 (→学校体系 )

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世界大百科事典(旧版)内の学校制度の言及

【学制】より

…〈学校制度〉の略称として用いられる場合もあるが(学制改革論など),歴史的には,1872年(明治5)から翌73年にかけて数次にわたり文部省布達をもって公布された,日本最初の全国規模での施行をめざした教育制度法令の名称。1871年廃藩置県直後に創設された文部省は,日本の近代化の早急な実現をめざす基本的手段の一つとして,まず全国規模での学校制度の立案を計画し,71年12月箕作麟祥ら洋学者を中心とする12人の〈学制取調掛〉を任命し,翌72年1月には大綱を決め3月下旬案文をととのえて太政官に上申し,6月下旬にその決裁を得て,8月3日文部省布達をもって最初の109章(条)を公布し,以後73年7月までに全213章を公布した。…

※「学校制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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