精選版 日本国語大辞典「姿」の解説
すがた【姿】
〘名〙
[一] 人のからだの恰好や、衣服などを身につけた時のようす。外見からとらえる人の印象。
① 人のからだつきや身なり、態度などのようす。風采(ふうさい)。また、姿態。容姿。
※書紀(720)皇極三年一月(図書寮本訓)「中臣鎌子連の意気(こころはへ)の高く逸(すく)れて容止(スカタ)犯(な)し難きことを識りて」
※源氏(1001‐14頃)葵「壺装束などいふすかたにて女ばうのいやしからぬ」
② からだ。身。→姿の入れ物。
※醍醐寺本遊仙窟康永三年点(1344)「身体(スカタ)飛(あがる)が若く、精霊(たましひ)夢に似」
③ 美しい顔形の人。美人。美女。
※浮世草子・好色五人女(1686)三「姿(スカタ)の関守 京の四条はいきた花見有」
[二] 事物の形状、様相。
① 物のかたち。物のさま。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「いはほの立てるすがた、植ゑたるもののごとくして」
② 事の様相。ありさま。形勢。おもむき。
※堀河百首(1105‐06頃)春「あさみどり春の姿にさほ姫はしだり柳のかつらしてけり〈藤原仲実〉」
※唱歌・荒城の月(1901)〈土井晩翠〉「天上影は替らねど 栄枯は移る世の姿」
③ 歌論、連歌論、俳論などで、一つの歌や句の内容と表現にわたる全体的な形象、また、それによってもたらされた格調や律調など。歌体。句体。
※新撰髄脳(11C初)「凡そ哥は心ふかくすがたきよげに、心にをかしき所あるを、すぐれたりといふべし」
[三] 質物。人質。〔日葡辞書(1603‐04)〕
し【姿】
〘名〙 すがた。かたち。
※易林本節用集(1597)「姿 スガタ シ」 〔後漢書‐李固伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報