姫
ひめ
女性の美称で、彦(ひこ)の対。上代では単独で用いて女性一般を表したり、「木花開耶姫(このはなさくやひめ)」のように下につけたりして用いられた。平安時代以後、貴人の娘をさしていうようになり、江戸時代の上方(かみがた)では遊女をさしたこともある。また、小さくてかわいらしく優しい感じであることを表す接頭語として、「ひめゆり」「ひめつばき」「ひめかがみ」などと用いられた。語源は「日女(ひめ)」で、「ひ」は美称とされる。
[藁科勝之]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
デジタル大辞泉
「姫」の意味・読み・例文・類語
ひめ【姫/▽媛】
[名]
1 女子の美称。「歌姫」「乙姫」⇔彦。
2 貴人の娘。姫君。
3 近世上方で、遊女のこと。
[接頭]物の名に付いて、小さくてかわいらしいものであることを表す。「姫百合」「姫鏡台」
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世界大百科事典内の姫の言及
【ヒメ・ヒコ制】より
…古代国家成立以前の兄弟姉妹(姫と彦)による二重支配体制をいう。血縁紐帯を基軸とした氏族社会で,同母の兄弟と姉妹は特に深く結ばれていた。…
※「姫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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