姥石(読み)ウバイシ

デジタル大辞泉 「姥石」の意味・読み・例文・類語

うば‐いし【×姥石】

母と子の別れの伝説や、女人禁制の境にある石にまつわる伝説。また、その石。多くは、女性が禁を犯して石になったものとして伝えられる。全国に点在する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の姥石の言及

【乳母】より

…能の前ジテの尉(じよう)とともにあらわれる姥は典型的な姿であるが,このほかにも日本各地に姥と称される女性にまつわる伝説は多い。かつて老女ないしは比丘尼が女人禁制の掟をおして霊山に登ろうとしたところ,神の怒りにふれて石に化してしまったとか引き返したという類のもので,各地の名山の中腹にはよく姥神や姥石などがまつられているものである。たとえば紀州高野山の捻石は,弘法大師の母が結界を越えることを許されず,恨んで足ずりをした跡だという。…

【女人禁制】より

…このことは大峰の都藍尼(とらんに),白山の融の姥(とおるのうば),立山の止宇呂(とうろ)に代表されるように,禁制を犯して立ち入ろうとした女性が石と化した伝説(老女化石譚)を生みだし,また高野山の石童丸(いしどうまる)の伝説はよく知られたものとなっている。しかし,女人禁制を示す女人堂や姥石,比丘尼石などが山岳の中腹以下に設けられていることから,女人禁制ではなくむしろ足腰の弱い女性を誘致するために設けられたものであろうとする見解もある。寺院や山岳の女人禁制は1872年(明治5)の布告第98号によって制度的には廃止されたが,大峰山,高野山をはじめとする霊山では後々まで女人禁制を堅持してきた。…

※「姥石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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