精選版 日本国語大辞典 「始」の意味・読み・例文・類語
はじ・める【始】
〘他マ下一〙 はじ・む 〘他マ下二〙
※万葉(8C後)一八・四〇九四「吾が大君の 諸人を 誘ひ給ひ 善き事を 波自米(ハジメ)給ひて」
※大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)七「初て塔を基(ハシメ)し日」
※万葉(8C後)八・一五三〇「女郎花秋萩まじる蘆城の野けふを始(はじめ)て万代に見む」
③ いくつかのうち、主たるものとする。第一のものとする。いくつかのものを列挙する場合にいう。
※竹取(9C末‐10C初)「親をはしめて、何事共知らず」
⑤ 動詞の連用形に付けて、その動作をやりだすことを表わす。…し出す。「作りはじめる」「泣きはじめる」など。
はじま・る【始】
〘自ラ五(四)〙
① 物事が新しく起こる。発生する。開始される。⇔終わる。
※源氏(1001‐14頃)松風「大御遊びはじまりていと今めかし」
② (「…にはじまる」「…からはじまる」などの形で) それがもととなって物事が起こる。そこに起源をもつ。そこに起因する。
※古今(905‐914)仮名序「このうた、〈略〉世につたはることは、ひさかたのあめにしては、したてるひめにはじまり」
③ (「また、はじまる」の形で、あるいはそういう気持を込めて) 動作が再開される。特に、いつものくせが起こることをいう。
はじまり【始】
はな・る【始】
〘自ラ四〙 はじまる。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三「イヤききなさい。今にねんぶつがはなりますハ」
はじ・む【始】
〘他マ下二〙 ⇒はじめる(始)
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