妾(漢字)

普及版 字通 「妾(漢字)」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] ショウ(セフ
[字訓] はしため・めかけ・わらわ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
辛(しん)+女。辛は入墨に用いる針。罪あるものにはこれで入墨を加える。女には妾といい、男には(童)という。立形の部分は、もと辛であった。〔説文〕三上に「(つみ)るの女子なり。之れを給事せしめ、君に接することを得るなり」という。「君に接する」の接の義を以て解するが、本来は「神に接する」ために、神に捧げられたもので、もとは犠牲であろう。卜文に「河妾」という語があり、河神を祀るとき、犠牲として捧げたものと思われる。金文の〔伊(いき)〕に「康宮の王の臣妾百工」とあり、のち神殿・宮につかえるものとなり、また〔左伝、僖十七年〕「男を人臣と爲し、女を人妾と爲す」のように、隷属のものとなった。

[訓義]
1. はしため、神に捧げられたもの、神殿・宮に捧げられたもの。
2. めかけ、そばめ。
3. わらわ、婦人の自称。

[古辞書の訓]
和名抄〕妾 乎无奈女(をむなめ) 〔名義抄〕妾 ヲムナメ・トル・タカヒ・シタガフ・コナミ

[声系]
〔説文〕に妾声として・椄・接など、六字を収める。椄六上は「續木なり」とあり、妾に接続の意を含むようである。

[語系]
妾tsiap、接tziapは声が近く、妾とは神聖に接する者の意であろう。shiapは呪飾として用いるもので、聖俗をへだてる意をもつものである。

[熟語]
妾侍妾処妾女妾小・妾身・妾人妾妃妾婦妾嬖・妾
[下接語]
愛妾・悪妾・姫妾・鬼妾・宮妾・群妾・妻妾・蚕妾・侍妾・庶妾・臣妾・賤妾・蓄妾・妾・童妾・妃妾・婢妾・鄙妾・婦妾・嬖妾・僕妾・妾・老妾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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