妻籠・夫籠(読み)つまごもる

精選版 日本国語大辞典 「妻籠・夫籠」の意味・読み・例文・類語

つま‐ごもる【妻籠・夫籠】

地名「小佐保(おさほ)」にかかる。かかりかた未詳
書紀(720)武烈即位前・歌謡春日(はるひ) 春日(かすが)を過ぎ 逗摩御慕屡(ツマゴモル) 小佐保を過ぎ」
② 物忌みなどのためにつまのこもる屋の意で「屋(や)」と同音語頭に持つ地名「屋上(やかみ)の山」「矢野神山」にかかる。
万葉(8C後)二・一三五「嬬隠有(つまごもる) 屋上の山の 雲間より 渡らふ月の」

つま‐ごめ【妻籠・夫籠】

〘名〙 (「ごめ」は下二段動詞「こむ(籠)」の連用形「こめ」の連濁) つまとともにその中にこもり住むこと。相愛男女がともに過ごすこと。また、妻としてこもらせること。つまごみ。→妻籠に

つま‐ごも・る【妻籠・夫籠】

〘自ラ四〙 夫婦、または雌雄が、同じ所にこもり住む。
玉葉(1312)春上・一七「春日野にまだうら若きさいたづま妻籠るともいふ人やなき〈藤原実氏〉」

つま‐ごもり【妻籠・夫籠】

〘名〙 つまを求めて神仏に祈願して堂にこもること。つま乞いのために参籠すること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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