妄想性障害(読み)もうそうせいしょうがい(英語表記)Paranoid Disorder

知恵蔵mini 「妄想性障害」の解説

妄想性障害

妄想が1カ月以上続く精神疾患のうち、妄想性パーソナリティ障害より重度であり、統合失調症による妄想ではないとみられる障害のこと。妄想性障害における妄想は「恋人に裏切られる」「見張られている」「自分が偉大と思い込む」など、実生活でも起こりうるものであることが多く、幻覚幻聴・異常思考・感情的鈍麻など統合失調症に特有の症状がみられない。また統合失調症ほど職業的・社会的機能の低下を生じない。時に、妄想性パーソナリティ障害に関連して起こり、妄想が生涯を通じて拡大することもある。妄想性パーソナリティ障害・統合失調症がほぼ若年期~青年期に発症するのに対し、妄想性障害の発症時期はほぼ成人中期または成人後期であるのも特徴。治療には医師と患者の信頼関係を築き、薬物他の精神療法を行う。

(2015-3-11)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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