妃(漢字)

普及版 字通 「妃(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音]
[字訓] きさき・つま

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
字はおそらくもとに作り、女+巳(し)。〔説文〕十二下に「匹なり」と妃匹の意とし、字を己(き)声とするが、声が合わない。巳は蛇の象形。祀はその形に従う。巳は霊性のあるものとされた。卜辞に「(靈)」の名があり、「は囚(死)せざるか」「(禦)(まつ)らんか」と卜しており、神として祀られているものであった。金文に妣(ひ)の尊号として用い、〔陳侯午敦(ちんこうごたい)〕に「皇妣孝大妃の祭敦(ゆたい)を作る」のようにいう。〔礼記、曲礼下〕に「天子の妃を后と曰ふ」とあり、后妃の称とするが、古くは神巫の称であったかと思われる。のち「西華の紫妃」「星妃」のように、神女の意にも用いる。

[訓義]
1. きさき、ひ。
2. つま、つれあい。
3. みこ、神巫。

[古辞書の訓]
名義抄〕妃 キサキ 〔立〕妃 ミヤストコロ・キサキ・ヒメ

[語系]
妃phiuiは配phui、phiei、匹phietとみな双声、妣pieiも声義が近い。妃・(ひ)はその字形からみて、神につかえる女であったかと思われる。

[熟語]
妃偶・妃・妃子妃妾・妃妃色・妃匹妃嬪
[下接語]
媛妃・王妃貴妃玉妃賢妃元妃・后妃・冊妃・正妃・妾妃・湘妃・星妃・太妃・天妃・納妃・嬪妃・明妃・洛妃・令妃

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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