(読み)ごと

精選版 日本国語大辞典 「如」の意味・読み・例文・類語

ごと【如】

(助動詞「ごとし」の語幹本来、「同じ」の意を表わす「こと」の濁音化したもので、体言的性格をもつ) ごとく。ように。同じく。
古事記(712)中・歌謡「道の後(しり) 古波陀嬢女(こはだをとめ)を 雷(かみ)の碁登(ゴト) きこえしかども 相枕まく」
万葉(8C後)五・八一六「梅の花今咲ける期等(ゴト)散り過ぎず我が家(へ)の園に有りこせぬかも」

にょ【如】

〘名〙 (tathā の訳語) 仏語
① 一切のものに通じる不易不変の理法真如。如如。理。
※栄花(1028‐92頃)玉のうてな「有作無作の諸法の相を見ざる所、如なり、相なり、解脱なり、波羅密なり」 〔摩訶止観八下
② 平等無差別なこと。一如

ごとき【如】

(助動詞「ごとし」の連体形) ⇒ごとし

ごとく【如】

(助動詞「ごとし」の連用形) ⇒ごとし

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デジタル大辞泉 「如」の意味・読み・例文・類語

じょ【如】[漢字項目]

常用漢字] [音]ジョ(漢) ニョ(呉) [訓]ごとし しく もし
〈ジョ〉
そのとおり。…のごとく。「如上
状態を表す語に添えて調子を助ける語。「晏如あんじょ欠如突如躍如鞠躬如きっきゅうじょ
〈ニョ〉そのとおり。そのまま。…のごとく。「如実如法如来如是我聞にょぜがもん一如真如不如意
[名のり]いく・すけ・なお・もと・ゆき・よし
難読如何いかが如何どう如何いかなる如何いか如月きさらぎ不如しかず莫如しくはなし不如帰ほととぎす

ごと【如】

比況の助動詞「ごとし」の語幹》
…のように。「ごとし」の連用形にあたる。
「渡る日の暮れぬるが―照る月の雲隠る―沖つ藻のなびきしいもは」〈・二〇七〉
…のようだ。「ごとし」の終止形にあたる。
ふことは玉の緒ばかり名の立つは吉野の川のたぎつ瀬の―」〈古今・恋三〉

もころ【如/若】

上代語》同じような状態。よく似た状態。連体修飾語を受ける形で、副詞的に用いられる。
「立たせば玉藻の―やせば川藻のごとく」〈・一九六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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