奴隷州(読み)どれいしゅう(英語表記)slave states

日本大百科全書(ニッポニカ) 「奴隷州」の意味・わかりやすい解説

奴隷州
どれいしゅう
slave states

奴隷制下のアメリカ合衆国において、奴隷制を認めていた州をいい、自由州に対比される。独立革命後20年以内に北部諸州でとられた奴隷制の廃止、制限の立法措置、また1787年の北西部条例による当時の極西部における奴隷制の禁止により、奴隷制を認めないとする自由州の核が形成された。一方、奴隷州としては、南北戦争(1861~65)勃発(ぼっぱつ)時に連邦を脱退したバージニアノース・カロライナサウス・カロライナジョージアフロリダアラバマミシシッピテネシーアーカンソールイジアナテキサスの11州のほか、境界州のデラウェアメリーランドケンタッキーミズーリの各州があった。

[竹中興慈]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奴隷州」の意味・わかりやすい解説

奴隷州
どれいしゅう
Slave States

南北戦争前のアメリカで,奴隷制を合法的に認めていた州。南北戦争直前の奴隷州はデラウェア,メリーランド,バージニア,ノースカロライナ,サウスカロライナ,ジョージア,フロリダ,アラバマ,テネシー,ミシシッピ,ケンタッキー,ミズーリ,アーカンソー,ルイジアナ,テキサスの 15州で,このうち 11州が連邦から脱退して,南部連合を結成した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「奴隷州」の解説

奴隷州(どれいしゅう)
slave state

アメリカ合衆国奴隷制が存在していた時代に奴隷制を認めていた州を奴隷州と呼び,自由州に対比した。1860年奴隷州は15あり,そのうち11州が60年末から61年にかけて合衆国から脱退し,アメリカ連合国を組織して,合衆国と南北戦争を戦った。

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旺文社世界史事典 三訂版 「奴隷州」の解説

奴隷州
どれいしゅう
slave state

アメリカ合衆国で奴隷制度を認めた州
合衆国憲法でも容認された奴隷制度は,その後北部を中心撤廃が進むが,綿花のプランテーションを抱える南部諸州においては南北戦争まで存続した。

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