女山林(読み)おんなさんりん

世界大百科事典(旧版)内の女山林の言及

【山林】より

…平安末期から中世を通じて,領主の非法,横暴に抵抗して逃散(ちようさん)する百姓たちは,〈山林に交わる〉〈山野に交わる〉といって実際に山林にこもっており,山林は逃亡する下人・所従の駆け入る場でもあった。戦国時代になると〈延命寺へ山林申候〉〈悪党以下,山林と号して走り入る〉〈女山林〉などのように,〈山林〉という語それ自体が,アジール的な寺院へ駆けこむ行為を意味するようになるとともに,百姓たちが家や田畠に篠(ささ)を懸け,そこを〈山林不入の地と号し〉,領主が立ち入れないようにしたことから見て,アジールとしての性格を持つ寺院や聖域そのものも〈山林〉といわれたのである。近世になると〈山林に交わる〉という言葉はしだいに,〈山に上る〉〈山に登る〉から〈山上り〉という表現になっていく。…

※「女山林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」