奈須川 光宝(読み)ナスガワ ミツトミ

20世紀日本人名事典 「奈須川 光宝」の解説

奈須川 光宝
ナスガワ ミツトミ

明治期の自由民権運動家 衆院議員。



生年
安政2年7月(1855年)

没年
昭和1(1926)年12月29日

出生地
陸奥国八戸城下(青森県)

旧姓(旧名)
川勝

経歴
八戸藩士・川勝内記の三男として生まれる。文久2年(1862年)7歳で奈須川光武の養子となる。奈須川家は八戸藩の馬政取締役で馬術師範を務め、この関係で早くから馬産関係に従事。藩校に学び、明治維新後は蛇口胤親と岩泉正意が開いた開文舎で英語・数学・世界事情・思想などを学ぶ。明治8年八戸小学校教員などを経て、のち八戸産馬組合長となり、14年八戸地域の自由民権運動のきっかけともなった産馬紛争事件では民間側のリーダーとなり勝訴に導いた。15年青森県議、21年県会副議長となり、22年源晟・浅水礼次郎・関春茂らと共に八戸土曜会を結成、藩閥官僚政治に対し八戸の自由民権思想を鼓吹した。23年第1回衆院議員に当選、3期務める。その後、源晟と交替して、27年県会議長となる。のち鮫村長、八戸町長を務め地方行政にも長年関わる。大正7年地域の港湾修築に対し期成同盟会を発足させ八戸港の拡張・整備に尽力した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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