太(漢字)

普及版 字通 「太(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

(異体字)泰
10画

[字音] タイ・タ・ダイ
[字訓] おおきい・ふとい・はなはだ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は大(たい)。〔説文〕水部泰字条十一上に「滑らかなり」とあり、その古文として太の字形をあげている。泰は水の上に、人を両手でおしあげている形で、人を水没から救い、安泰にする意。大の下の点は、水の省略形とみてよい。もと泰と同義の字であるが、のちその副詞形、また修飾語的な用義の字となった。〔玉大部に太を録して「甚なり」といい、副詞とする。古い時期には大・太を厳密に区別することがなく、金文大宗・大子・大室・大・大史の字は、すべて大に作る。漢碑には大守・大尉をまた太守・太尉としるすことがあり、太守の例が多く、ほぼその慣用字となる。太・泰はもと一字、大・太・泰は声義近く通用の字であるが、それぞれ慣用を異にするところがある。

[訓義]
1. おおきい、ふとい。
2. はなはだ、はなはだしい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕太 フトシ・モト・ハナハダシ・イト・エタ・イカラシ・イカバカリ 〔字鏡集〕太 イカラシ・イカバカリ・ハナハダシ・ユタカナリ・モト・イト・エタ・フトシ・フモト

[声系]
汰・駄はもとに作り、それが本字。汰・駄は、大を太に作ることから派生した俗字である。

[語系]
太・泰thatは同字同音。大dat、(誕)danと声近くして通用する。〔説文〕の徐鉉注に「本、他切(タツ)」とあり、それが太・泰の音にあたる。

[熟語]
太阿・太尉太一太乙・太陰・太易太翁・太河・太楽・太学太簡・太虚・太極太鈞・太空・太玄太古・太公太后太昊太羹・太剛・太歳・太山太子・太始・太室・太上・太寝太甚・太素太簇・太息・太太太痴・太沖太婆太璞・太半・太・太平太朴・太満・太無・太爺・太陽・太隆・太牢

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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