精選版 日本国語大辞典 「天草版」の意味・読み・例文・類語
あまくさ‐ばん【天草版】
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キリシタン版のうち九州の天草学林で出版されたもの。1592年(文禄1)から96年(慶長1)に至る。キリシタン版は最初1591年,肥前国の加津佐(かづさ)で出版されたが,まもなく印刷所は天草に移された。主としてローマ字版で,国字版は《ばうちずもの授けやう》(1593刊か)1種のみが天草版と推定される。1592年刊の《どちりなきりしたん》《ヒデスの導師》,《平家物語》(口訳)がもっとも早い刊行書である。その後,《いそほのはぶらす(伊曾保物語)》《金句集》,アルバレス編《ラテン語文典》,《羅葡(らぽ)日対訳辞典》,《コンテムツス・ムンヂ》(推定天草版),イグナティウス・デ・ロヨラ著《心霊修行》,バルトロメウ著《精神修養の提要》(推定天草版)が刊行された。のち1598年ころ,印刷所は長崎学林に移された。
執筆者:宗政 五十緒
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