天水抄(読み)てんすいしょう

改訂新版 世界大百科事典 「天水抄」の意味・わかりやすい解説

天水抄 (てんすいしょう)

俳諧論書。貞徳著。1644年(正保1)成立。秘伝書で刊本は存在しない。連歌の刊本《天水抄》とは無関係。冊子本と巻子(かんす)本があるが,前者によれば,上巻は会の心得,連歌と俳諧の区別,俳諧の本質,式目,〈てには〉の口伝下巻は前句付(まえくづけ),付け方,発句等の句の作法,切字(きれじ),懐紙の書き方等を雑話風に記す。貞徳の俳諧観や式目観を知るための絶好の資料である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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