天塩山地(読み)てしおさんち

精選版 日本国語大辞典 「天塩山地」の意味・読み・例文・類語

てしお‐さんち てしほ‥【天塩山地】

北海道北部の山地。中央地溝帯を隔てて北見山地に対する。最高峰はピッシリ山(一〇三二メートル)。

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デジタル大辞泉 「天塩山地」の意味・読み・例文・類語

てしお‐さんち〔てしほ‐〕【天塩山地】

北海道北部にある山地。日本海に沿って南北に連なり、なだらかな山地が続く。最高峰はピッシリ山で標高1032メートル。

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日本歴史地名大系 「天塩山地」の解説

天塩山地
てしおさんち

北海道北部の日本海側に南北に連なる山地。北部は宗谷丘陵との間を天塩川先行谷、南部は幌内ほろない山地との間を石狩川先行谷(神居古潭)により限られる。東側は天塩川河谷地帯を挟んで北見山地と相対し、同川流域に名寄盆地が形成される。西側は日本海に臨み、沿岸部には二―四段の海岸段丘が発達する。地質は北部が白亜系、南部は神居古潭変成岩類、西部の日本海沿岸は新第三紀系からなる褶曲地帯で、いわゆる蝦夷サハリン(樺太)系の構造帯に含まれる。最高点は南部のピッシリ山(一〇三一・五メートル)で、その南に羽幌はぼろ(六四九・二メートル)上古丹別かみこたんべつ(五一二・四メートル)小平蘂おびらしべ(九六〇・五メートル)釜尻かましり(九一三メートル)、北に相志内向あいしないむき(六三七・五メートル)茶古志ちやこし(七〇一メートル)小車おぐるま(七二四・二メートル)鬼刺おにさし(七二八・一メートル)などがあるが、北西部や海岸部に近い一帯では三〇〇―五〇〇メートル級のなだらかな山容が連なる。

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改訂新版 世界大百科事典 「天塩山地」の意味・わかりやすい解説

天塩山地 (てしおさんち)

北海道北西部にある南北に細長い山地。東は名寄盆地をはさんで北見山地と相対し,南は神居古潭(かむいこたん)のある石狩川の横谷で夕張山地北部と画される。ピッシリ山(1032m)を最高峰とする標高500~600mの比較的なだらかな地形を示し,残丘のような山峰もいくつか見られる。南から北へ徐々に高度が低くなり,天塩川と頓別(とんべつ)川の河谷以北はとくに低く,宗谷丘陵と呼ばれる。天塩川河口部から南方では,山地は直接日本海にのぞみ海岸段丘が発達している。山地東部の地質は白亜系の変成岩からなり,西部は新第三系からなっている。この東部と西部の間に北からトイカンベツ川,安平志内(あびらしない)川,雨竜(うりゆう)川が縦谷を形成している。山地には亜寒帯系の森林が繁茂し,木材が産出される。西部の新第三系の地層には石炭が埋蔵され,かつては天北(てんぽく),苫前(とままえ),留萌(るもい)の各炭田があって活況を呈したが,現在はその面影もない。また,山地には含油層もあり,石油・天然ガスもわずかではあるが採取される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天塩山地」の意味・わかりやすい解説

天塩山地
てしおさんち

北海道北西部を南北に連なる山地。北は名寄(なよろ)盆地を隔てて北見(きたみ)山地と相対し、南は石狩(いしかり)川の横谷で夕張(ゆうばり)山地と画される。平均標高は500~600メートルで、おおむねなだらかな山容であるが、最高峰のピッシリ山(1032メートル)をはじめ、残丘状の山峰が所々にみられる。北に向かってしだいに高度が低くなり、北端部の天塩川河谷以北は宗谷丘陵(そうやきゅうりょう)とよばれる。山地の西側の主要部は日本海に臨み、海岸段丘が発達している。地質は、山地東部は白亜系を主体とし、西部は新第三紀系からなり、両者の間にトイカンベツ川、安平志内(あびらしない)川、雨竜(うりゅう)川が縦谷を形成する。国有林を主とする山林地帯で、新第三紀系には石炭層が介在し、天北炭田(てんぽくたんでん)、苫前炭田(とままえたんでん)、留萌炭田(るもいたんでん)の炭田ではかつては石炭採掘が盛んであった。豊富町(とよとみちょう)では現在も天然ガスの採取が行われる。

岡本次郎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天塩山地」の意味・わかりやすい解説

天塩山地
てしおさんち

北海道北西部,石狩平野以北に南北に連なる山地。最高峰はピッシリ山(1032m)。平均標高 500~600mで,残丘状の峰がある。東側は断層または撓曲崖(とうきょくがい)で,名寄盆地上川盆地に臨む。西側は日本海に迫り海岸段丘が発達。北部を天塩川が先行谷的横谷をつくって横切り日本海に注ぐ。地質的には東部は白亜系,西部は古第三紀層と新第三紀層が主体。山地の大部分を占める国有林からおもに広葉樹を産する。ピッシリ山周辺は朱鞠内道立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「天塩山地」の意味・わかりやすい解説

天塩山地【てしおさんち】

北海道北西部の南北に長い山地。西は日本海に迫り,東は中央地溝帯の天塩川河谷で北見山地と限られる。ピッシリ山(1032m)が最高点で,平均標高500〜600m,主として第三紀層からなり,羽幌,留萌(るもい),宗谷などの炭田,天北油田があった。
→関連項目天塩[町]美深[町]北海道

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