天叢雲剣(読み)アマノムラクモノツルギ

デジタル大辞泉 「天叢雲剣」の意味・読み・例文・類語

あま‐の‐むらくものつるぎ【天叢雲剣】

三種の神器の一。日本神話で、素戔嗚尊すさのおのみこと出雲国簸川ひのかわ上流で八岐大蛇やまたのおろちを退治したときに、その尾から出たという剣。のちに、熱田神宮に祭られる。別称、草薙剣くさなぎのつるぎ。→草薙剣

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天叢雲剣」の意味・わかりやすい解説

天叢雲剣
あめのむらくものつるぎ

三種神器の一つ。八岐大蛇(やまたのおろち)の尾より出現した剣である草薙剣(くさなぎのつるぎ)の元の名を、『日本書紀本文の注および一書では天叢雲剣とし、大蛇の上につねに雲気があったゆえの命名とする。中国の『史記』の高祖本紀に、斬蛇剣(ざんだけん)をもつ高祖のいる上にはつねに雲気がたつと語る。その漢の宝剣である斬蛇剣に、わが国の三種の神器の一つである神剣を擬するための命名。

吉井 巖]

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百科事典マイペディア 「天叢雲剣」の意味・わかりやすい解説

天叢雲剣【あめのむらくものつるぎ】

三種の神器の一つ。草薙剣(くさなぎのつるぎ)ともいう。素戔嗚(すさのお)尊が出雲簸川(ひのかわ)上(斐伊(ひい)川上流)で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治してその尾の中から得た剣。瓊瓊杵(ににぎ)尊は降臨のとき,八咫(やた)鏡,八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と共にこれを授けられた。日本武(やまとたける)尊の東征の際に草薙剣の名が生じ,のち熱田神宮にまつられたという。

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