天保切絵図(読み)てんぽうきりえず

日本歴史地名大系 「天保切絵図」の解説

天保切絵図
てんぽうきりえず

五枚

解説 薩藩沿革地図には鹿児島絵図(文政前後)とあり、島津忠重公爵家秘蔵、江戸時代唯一の絵図と説明されるが、原図の所在は不明。新橋から上方限磯まで、竪馬場から冷水・城ヶ谷・草牟田まで、吉野橋から下川内池之平まで、武橋・高麗町之橋から以南、西田橋・新上橋以西の五図からなる。武家屋敷ごとに持主・面積が付される。文政前後と年次推定がされているが誤り。この絵図には柿本寺通に児玉五兵衛の屋敷が記されている。児玉家の日記から児玉五兵衛の屋敷が柿本寺通にあったのは天保五年―弘化元年の間に限定され、この期間に描かれたものと推定できる。なお同種の城下武家屋敷図としては、鹿児島県立図書館が所蔵する二枚組の「旧薩藩御城下絵図」がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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