精選版 日本国語大辞典 「天下一」の意味・読み・例文・類語
てんか‐いち【天下一】
〘名〙
※太平記(14C後)三四「天下一の剛の者とは是れをぞ誠にいふべきと」
② 近世、天下唯一の名人の意味で「天下一」の号を名乗ることを許された鋳物工、陶工などの家。また、名人をもって自任する者の作物の銘。織田信長・豊臣秀吉などが鏡・釜・土器などのすぐれた作者に許したのにはじまる。合戦の勇者などにも名誉の称号として与えられることがあった。のちに諸品の看板に乱用され、誇大広告に使われるなどの弊害を生じたため天和二年(一六八二)に使用が禁じられた。
※多聞院日記‐天正七年(1579)八月一九日「ふるい天下一に申二付之一」
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