大館市(読み)オオダテシ

デジタル大辞泉 「大館市」の意味・読み・例文・類語

おおだて‐し〔おほだて‐〕【大館市】

大館

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日本歴史地名大系 「大館市」の解説

大館市
おおだてし

面積:四〇一・〇二平方キロ

県北東部、大館盆地の全域と周辺山地を含む。中心市街地は東部山地から流れる米代川・長木ながき川の合流点に延びる舌状台地上に展開する。米代川は市の南部を西流、長木川および青森県境から南流する下内しもない川などを合わせ北秋田郡に抜ける。東部山地の大茂内おおしげない沢・茂内しげない沢・小雪こゆき沢・大川目おおかわめ沢・支根刈しねかり沢などは、戦国期から江戸期を通じ秋田杉の産地として知られる。明治以降花岡はなおか鉱山が開発され、大正―昭和を通じ隆盛、昭和に入り第二次世界大戦後は釈迦内しやかない鉱山が栄えた。秋田犬・声良鶏・ザリガニ生息地などの天然記念物もある。

天正一九年(一五九一)の出羽国秋田郡知行目録写(秋田家文書)に「大館村」とみえる。長崎氏旧記(長崎文書)にも、天正一二年の事実として、浅利「頼平津軽より大館へ出張」とあることから浅利氏時代、大館村として存在していたことは明白。

〔原始〕

縄文時代の遺跡は米代川・長木川の本支流域と、背後の河岸段丘上に分布し、数はおよそ二〇〇。粕田かすだ川流域の粕田から続縄文の遺跡が発見され、土師器を伴う数戸の方形竪穴、内面に面木模様のある須恵器、表面のよく磨かれた黄褐色の続縄文土器が確認された。ほとんど縄文中―晩期に属すが、葛原くずはら古館・本宮もとみや館・軽井沢かるいざわ新館・同館の上たてのうえなど中世城館遺跡は土師器・須恵器を伴う場合が多い。

〔古代〕

秋田城下で蝦夷と俘囚が反乱を起こした元慶の乱に際し、秋田城以北の賊地一二ヵ村があげられている(三代実録)

大館市
おおだてし

2005年6月20日:大館市が北秋田郡比内町田代町を編入
【比内町】秋田県:北秋田郡
【田代町】秋田県:北秋田郡
【大館市】秋田県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大館市」の意味・わかりやすい解説

大館〔市〕
おおだて

秋田県北東部,米代川とその支流域にある市。市域中央部は大館盆地で,北は青森県に接する。 1951年市制。 1955年下川沿村,上川沿村,長木村,二井田村,真中村の5村および十二所町,1967年花矢町,2005年比内町と田代町をそれぞれ編入。江戸時代は佐竹氏支城の城下町として発展。米代川と長木川に挟まれた段丘に立地し,古くから軍事,経済,交通の要地であった。中心市街地の東は官庁,住宅街 (旧士族町) ,西は商業地となっている。米作のほか,トンブリやホップの栽培が行なわれ,比内地鶏の産地としても知られる。山間部では秋田杉を産し,製材,木工品,家具類の製造や機械,金属工業が盛ん。市の北部はかつて黒鉱,硫化鉱を産した花岡鉱山があったが,1994年に閉山した。国道7号線の沿線にある芝谷地の湿原植物群落,長走風穴高山植物群落,ザリガニ生息地や秋田犬,声良鶏 (こえよしどり) は国の天然記念物に指定。曲木細工は特産。南部の米代川沿いに大滝温泉がある。北西部の田代岳一帯は田代岳県立自然公園に属する。 JR奥羽本線から花輪線が分岐。国道7号線,103号線,285号線が通る。面積 913.22km2人口 6万9237(2020)。

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